片道切符で飛び乗れ

ダークな世界観が魅力のロックバンド

Rites of Thy Degringolade「The Blade Philosophical」

f:id:DGO812:20181013164325p:plain

デスメタルが続きます。彼らはカナダのバンドで、1997~2006年の活動で3枚のフルアルバムを残し一旦解散、その後2015年に再結成し、今年2018年にリリースされたのが本作となります。フルレンスとしては13年振りとのこと。個人的にはバンド名だけは知っていて、なにやら3rdアルバムが評判も良い上に自分の好みにも合いそうだったので欲しいなと思いつつ、なかなか(国内で)売ってる場面に遭遇できずやきもきしていたところにこの新譜が来て、この際新譜でもいいかとポチってみたという感じであります(その後運よく3rdもメルカリでゲット!)。んで内容ですが、大雑把に言えば初期デスとブルデスとブラックメタル(いずれもアングラ寄りの)の良いとこ取りと言ったところでしょうか(3rdにもこれは当てはまる)。これだけ並べるとしんどそうな印象ありますが、一聴してまず驚くのがそのプロダクションの良さ。どのパートもしっかり分離してクリアで豊かな響きを確保していながら、ハイファイ寄りにはならない暖かみ・やわらかさを残した音作りは、通しで何度も聴けてしまえる心地良さがあります。デスメタルの理想的な音作りですね。トレモロ主体のギターがモビエン、Incantation方面のリチュアルなデスメタルと共振する瘴気を振りまく一方で、ドラムは人肌の温もりを残しつつもバカテク系。攻撃力や機動力のステは主にこのドラマーがブラストでかっ飛ばすことで稼いでますね(この人がバンドのリーダーらしいです)。あとはBlasphemyとかあのへんのベスチャル系ブラックメタルの影響もありそうなんですが、僕がベスチャル系全く詳しくないのでここでのこれ以上の言及は避けときます…(こんなんばっかだなぁ)。総じてリチュアルなのにインテリジェンスを強く感じられる仕上がりになっております。Mitochondrion(そういえばこのバンドもカナダですね)とかNegative Planeとか好きな人には確実に刺さるだろうし、上記したプロダクションの良さや6曲40分強という丁度良いプレイタイムも相まって、BOYでこの手の暗黒デスメタルを買い漁るキッカケの一枚にしてしまってもいいのでは?とも思います(笑)。個人的には3rdより好きだし、今年のデスメタルの新譜の中で自分が聴いたクソ狭い範囲では今のところ一番好き。

youtu.be