片道切符で飛び乗れ

ダークな世界観が魅力のロックバンド

Sinner「Danger Zone」

現在はご存じラルフシーパースと一緒にPrimal Fearで活動中のマット・シナーの本丸バンドといえばこちら。ずっと3rdと4thのコンパチを探してて、先日めでたく適正価格での捕獲に成功したのでご登場願いましょう。こちらは84年に出た3rd。所謂ジャーマンメタルというやつですが、Helloweemのようなプロトメロスピ型とも、Acceptのような硬派型とも違うスタイル。Thin Lizzyが最大の影響源だと公言し(国内盤ライナーノーツ参照)、基本的には(当時のドイツ産にしては)そこまで芋臭くない、磨けばメジャー風にも化けそうなメロディラインで勝負するバンドだと思いますが、本作では若干のパワーメタルっ気が加わり、それがマット・シナーの暑苦しい声にはよくハマッていて良い感じです。この人の歌はダミ声で荒々しいという評価を下されがちな気がしますが、当時のメタル水準で言えば十分歌えている方だと思います(ちょっとベルギーのCrossfireのボーカルに似てる)。まあいくらパワーメタル寄りといってもまだスラッシュメタルも完全には固まりきってない84年の作品であり(Metal Churchの1stと同期くらいなんですね)、もっと言うなら彼らもドイツ人なので、叙情をよりどころにせずにはいられないといった感じで、メロディ派を置いてけぼりにすることはないと思います。臭すぎないジャーマンメタルをお探しの向きに。