片道切符で飛び乗れ

ダークな世界観が魅力のロックバンド

Sinner「Touch Of Sin」

f:id:DGO812:20200528184151p:plain

昨日の記事の続きってことで4thです。85年作。一般的には本作がバンドの最高傑作なんですかね。一曲目が妙にヘヴィに立ち上がるので、前作から引き続きパワーメタル路線か、という印象を抱きかけますが、その後はパワーメタル的な馬力をいくらか残しつつも、原点であるThin Lizzyに立ち返ったのか、メロハー好きにもアピールしそうなグッドメロディを備えた楽曲が次々と現れます。物凄く突出した曲というものは無いながらどの曲も粒が大きく、なるほどこれは名盤の佇まいです。当時の同郷のバンドですとStormwitchなんかが近いのかもですが、ボーカルがパワフルな分こっちの方がガツンと来ます。やはりこのボーカルはパワーメタル然とした楽曲でこそ映えるのではとも思いますが、これだけ出来の良いものを提示されると、むしろこの渋めの声だからこそ甘くなりすぎない仕上がりになっている、くらいの解釈で楽しんだ方が得でしょう。気持ち表現力が増してメロウな曲の説得力も上がってる気がしますし。この後バンドは更にアメリカンなポップネスを指向して"そういう”風に洗練されてくみたいですので、哀愁鋼鉄ぶりを楽しめるのはやはり3rd4thということになりましょうか。