片道切符で飛び乗れ

ダークな世界観が魅力のロックバンド

Toxik「Think This」

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US産テクニカルスラッシュ/スピードメタルの2nd。89年作。前途サブジャンルの中でも屈指の大名盤、どころかメタル史に燦然と輝くべき至宝だと思ってます。ヘヴィ・メタルは89年時点でここまで進んでいたという事実はもっと知られるべき。もうこれ以上はないだろうという最高峰のテクニックを、あくまでも猛烈なスピードと美メロ(notクサメロ)をぶつけるために惜しみなく用いているのが痛快すぎる1枚です。一番目立つのはギタリスト/コンポーザーのJosh Christian。メチャメチャクリーンな特徴的音色で、メチャメチャド派手で美しいメロディを、メチャメチャ高速で繰り出してくる。ギター全く弾けないので物凄く稚拙な感想ですがこんな感じです。僕は普段ギターソロをあまりちゃんと聴かない不届き者なんですが、この人、このバンドに関しては毎回ソロが待ち遠しくてたまらないです。全曲ドラフォかよってくらい長いピロピロが炸裂しますがクドさは皆無。ひたすら感動できます。シュラプネル辺りに発掘されて有名になってても全くおかしくない逸材なのに今に至るまでなぜ無名なのか理解に苦しむ…。加えてこのバンドは歌メロまで心に残るフレーズてんこ盛り。ジェフテイトの線を細くしてキーを上げたみたいなボーカルが普通に上手いっていうのもありましょうが、RealmやTargetといったハイトーンvo擁する同系統のバンド(これらも大好きですけど)と比較すると歌メロの質が段違いです。メタルを深堀りする気はないけどメロスピなら聴けるって人が歌メロだけ追って聴いても楽しめる…は言い過ぎかもしれませんが、Watchtowerとか初期Sieges Evenのボーカルに打ちのめされた人がこれ聴いたら泣いて喜ぶんじゃないでしょうか。そもそもこの超絶テク博覧会の中でこれほど起伏に富んだ歌メロのスペースが確保されてること自体異常なわけで。時代もジャンルも全く違いますけど、Nevermoreとか、Protest The Heroに匹敵する偉業が達成されていると思います。4曲目とかこれ系のジャンルじゃ滅多にお目にかかれないバラード曲ですよ(いい曲…)。あまり疾走してないみたいに言われることが多いアルバムで、確かにミドルテンポも相応に存在してて、またテクニカルであるが故のリズムのガチャガチャ感も強いのでそう感じやすいのかもですが、その分速いときはハチャメチャに速いです。コントラストでそう聴こえるってだけかもしれませんけどね。あっあと9曲目のツェッペリンのカバーは原曲知らないなりに悪くないと思ってます。