片道切符で飛び乗れ

ダークな世界観が魅力のロックバンド

Genghis Tron「Board Up the House」

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ちょいと間が空きましたが(今後はこのくらいの更新頻度でやっていけたらいいなと思っております)、今回はこれです。Relapse Recordsよりリリースの、US出身の3人組による08年作。不規則グラインドコアにピコピコなエレクトロをバシかけし、ドゥーミーな展開も時折挟みながら、アンビエントな静パートとの合体技でダイナミズムを演出するというのが大筋で、ピコピコと言えどチャラさを発散する方には行かず、あくまでもシリアスな顔つきを貫くところがリラプス産屈折メタルの矜持でしょうか。十分個性的な内容ではあるんですが、エクスペリメンタルだとかカオティックだとかいう言葉よりも「リラプス!!」という感想が先立つ仕上がりがなんとも微笑ましい。ドラムは打ち込みですがまあこんな音楽性なので違和感なく溶け込んでるし、一本調子な絶叫と虚ろなクリーン声を行き来するボーカルの人も良い味出してますね。合間に小インストを挟んでいくスタイルで、実は全体見てグラインドコア~メタルを実践している時間はちょっと少ないというのが気になる人は気になるかもしれませんが、いやしかしクールに纏まっています。普通に変わり種として勧めてってもいいんですが、甘すぎないメロディを適度な歯ごたえのある激しさの中で摂取したいなんて気分のときにはこの上なく合います。変態というよりはクレバーな佇まい。最後の最後で異形の反復ドゥーム超大作をカマされる頃にはすっかり虜になっている筈。

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そういえばこれ書くにあたってアルバム名で軽くググって初めて知ったんですが、このアルバムKurt Ballouプロデュースらしいです。9曲目にはGreg Puciatoがゲスト参加してるし、結構ちゃんとお膳立てされてたんですねぇ。