片道切符で飛び乗れ

ダークな世界観が魅力のロックバンド

2020年のお気に入りアルバム

・DIMLIM「MISC.」

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私的2020年度ベストアルバムはこれでいきます。詳しくはこちら

 

・Arise in Stability「犀礼 / Dose Again」

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名前は昔から知ってるバンドではあったけど、失礼を承知で申し上げると、数年前にYoutubeに上がっていたPVの曲を見た時は「イモいな~」と思ってしまって、それっきりノーマークになってました。そんなPVの曲含む1stから9年の時を経てドロップされた本作、いくらなんでも化けすぎ。SIAM SHADE発ポストロック~激情ハードコア経由BTBAM行き、我が国が世界に誇るべき最強のプログレメタルの誕生です。

 

・Aseitas「False Peace」

Gorgutsインスパイア系デスメタルをベースにConvergeに端を発するメタリックなカオティックHCの粗暴さがプラスされたなんとも激烈な1枚でした。そこはかとなく薫る90年代的な暗さ・悪さが良い味出してます。今年(2020)で言えばPyrrhonの新譜が好きな人はこっちも聴いてほしい感じ。あと個人的には2020年ベストジャケはこれですね。カッコイイ。太っ腹なことにbandcampで投げ銭

 

・Black Curse「Endless Wound」

摩擦係数の高いディストーションサウンド、不明瞭なミックス、ノイジーな高域、ブヨブヨに膨らんだ中低域…間違いなくデスメタルの大切な魅力である瘴気・腐臭を生み出す源である一方である種の参入障壁にもなっているこれらの諸要素、無理矢理一つの単語で表すならロウネス(Rawness)でしょうか。それをここまで洗練された形で、口当たり良く提示した作品はかつてなかったんではなかろうか。イーヴォでプリミティヴでブルータルな、デスメタルの旨味全部盛りの極上品。

 

BUCK-TICK「ABRACADABRA」

VIZL-1787

結局この人たちの凄さはバランス感覚ってところに集約されるのかなと最近考えています。特定のパラメータが振り切れてるような在り方もそれはそれで魅力的ですが、肩に力を入れすぎず、明るい/暗い、激しい/優しいの中央をゆらゆらと揺蕩いながら、遊び心も、辛辣な毒も、シリアスなメッセージも自然に同居させる。あらゆるアプローチで最も聴き心地の良いポイントを打ち抜く稀有のバランス感覚。その感覚の研ぎ澄まされ具合で言えば、確かに本作を最高傑作とする声も頷けます。ここにきてさらに歌が上手くなってる気がする櫻井敦司をはじめ、世界で一番上手く歳を取ってるバンドだと思う。

 

・Cryptic Shift「Visitations From Enceladus」

Nocturnus、Timeghoulに端を発するSci-Fiデスメタルは、OSDM再興の中でも大きなムーブメントの一つと言えそうですが、その中でも本作の出来は白眉ではないかと思います。デスメタル版Vektorとでも言えそうな、捻くれてるんだけどキャッチーなリフワークが冴えてて、知性と勢いの両立がお見事。要所要所でGorgutsっぽくなるのも個人的には大アリですね。

 

Discharming man「POLE & AURORA」

POLE & AURORA | Discharming man | 十三月 / 13th recordds

年の瀬、年間ベストも出揃い始めたな〜って時期にそんなせっかちなベスト記事を嘲笑うかのように落とされた核弾頭。名前は知ってたけど聴くのは今作が初めてでした。これがオルタナ、エモ、ポスト○○、ハードコア、メタルetc…を北海道というキーワードの下一つの風景画としてどどーんと提示する圧巻の内容。もっと静が支配してる音楽を想像してたんだけど思いの外やかましく、それがそのままカッコ良さに直結しているのが素敵でした。

 

・GEZAN「狂(KLUE)」

これは正直入れるかどうか悩みました。間違いなく2020年随一の話題作ではあったけど、彼らの特異な立ち位置やアティチュードであったり、歌詞だったり、自分の語彙では中々説明しづらい音楽性(要するにメタル/ハードコア以外の要素)であったり、色々吟味しなくちゃならないことが多い気がしちゃうから。でも2020年一番口ずさんでた曲は多分このアルバムのリードトラックである「東京」であり(それかDIMLIMのWhat's Up?)、本アルバムがその「東京」を核として作られた、と言うならば、やっぱり選出すべきなのかなぁと。生き物みたいな、という形容は割とありがちですが、この作品のためにこそある言葉なんじゃないかなと思います。

 

・The Hirsch Effekt「Kollaps」

TDEP+Leprous…そんざ最強合成獣がいてもいいのか?いるんだなーこれがっていう最高の一品。重くしすぎない音作りが前述2バンドへの確かなリスペクトを感じますし、絶叫(グロウルよりもハイスクリームを多めに採用してるのがマス~カオティックコア感出てて良し)とクリーン声(まんまLeprousに聴こえることも多い)の使い分けも自分の琴線をグッサグサに刺してきてたまらんでした。これで3ピースは嘘でしょ。

 

・Imperial Triumphant「Alphaville」

テクニカル・プログレッシヴ・アヴァンギャルドデスメタルと言えばかつてはカナダの名産品というイメージでしたが、今やNYに取って代わられた感もあります。そんなNYデスメタルシーンの活況ぶりを分かりやすく示したのが本作ではないでしょうか。お馴染みのColin Marstonによるエンジニアリングに加え、本作ではTrey Spruance(Mr. Bungle)によるプロデュース。普段はむしろジャズプレーヤーとして名を上げているらしいメンバーによる演奏は確かにメタルだけ食っててもこうはならないだろうな~という自由奔放さを見せ、またTreyの手腕なのか、或いは多彩な客演が奏功したのか、この手の暗黒デスメタルにおいては異例と言えるほど各曲で異なる景色を描くことに成功しているように思えます。

 

・Kruelty「A Dying Truth」

2020年最もヘヴィで、最も踊れて、最もキャッチーなデスメタルだったと思います。とにかく聴いてて自然と体が動いてしまうし、基本音源よりライブを優先することはない僕みたいな人間でもこれはライブ観ないとダメなやつって直感でわかる(ファッキンコロナ)。上記Black Curseにも負けないくらいRAWの旨味をギュっと凝縮した(それでいて聴きにくくない)プロダクションが素晴らしくて、特にドラムの音作りが最高。

 

・lang「カイエ」

メンバー曰く3rdへの橋渡し的な立ち位置になるepとのこと。とても丁寧に紡がれた一枚であると思います。丁寧な激情ハードコア、言葉にするとなんだか矛盾しているように見えるけど、実際に耳に届く音は全てが必然なものとして響く。どこか地に足付いているというか、良い意味で泥臭く生活感を感じる音で、この点envyやkillieなどとはまた違った場所に向かおうとしているのかなと感じます。3rdアルバムも楽しみ。

 

・Liturgy「Origin of the Alimonies」

「もうポストブラックこれとKralliceと明日の叙景だけあれば他いらん!」などと雑な宣言をしそうになった大傑作H.A.Q.Qからわずか1年で届けられた新作。(チープなお涙頂戴とは無縁の)巨大感情大洪水だった前作から、本作はNYアヴァン系人脈から8人もの精鋭を従え、トレードマークのグリッチ処理もそこかしこで炸裂させながら、最早新種のプログレチェンバーロックかというけったいな内容に。やっぱり自分は前作の方が好きだけど、本作を最高傑作に挙げる人の気持ちもよく分かります。もうちょっと聴きこんだら評価逆転するかも。

 

lynch.ULTIMA

聴いた回数なら恐らくかなり上位に来ると思います。彼らに関しては数年前からマンネリ化を憂う声は観測しているけど、個人的には大きな変化がなく常に良作を届けてくれるバンド、聴くものに悩んだら取り敢えず再生しちゃう音楽、というのが一つでも手元にあると安心するのです。本作もまた、そんな彼らの安心のブランド力を更に盤石なものとする傑作でした。

 

・Melted Bodies「Enjoy Yourself」

2020年個人的新人賞は彼らに捧げたい。誰かしらいるようで不在な気がするポストSOAD~パットン関連の枠にすっぽり収まれそうな器です。いや実際は全然収まれてないはっちゃけ具合ですが(日本のAiliph Doepaなんかも頑張ってると思うけどもうひとはっちゃけ欲しい)。どうでもいけどそういえばこれ、ツイッターでどなたかがディルっぽいって言ってたのを見て飛びついたんでした(鬼葬前後のミクスチャー感との共振は分からんでもない)。

 

Napalm Death「Throes Of Joy In The Jaws Of Defeatism」

近年のナパームデス、本当に死ぬほど恰好良いんですよ。乱暴な例えで恐縮ですがConvergeを聴いてるときのような「ひょっとしてメタルとハードコアのカッコイイは全部ここにあるんじゃないか?」と思わせてくれるパワーと、飽くなき実験精神の極めて自然な共存。カオティックコアとか変なグラインドコアが好きな人は絶対に聴いてほしい(一曲目からDxAxっぽくて大興奮してしまった)。本作は個人的に最高傑作だと思っていた前作を超えてきた感すらある。正直こっちを一位にしようか最後まで悩みました。

 

・Nero Di Marte「Immoto」

以前2ndの方を本ブログで激賞させていただきましたが、そんな2ndから6年ぶりのリリースとなった3rd。前作から更に雄弁に歌うようになったダミ声ボーカルは静謐な場面ではOpethのようにも聴こえ、激しい場面では獰猛な獣の唸り声が如きで、微細な表現力に更に磨きがかかった印象。ポストメタル的な洒落たドゥーム感の使いこなしも相変わらず芸術的。Ulcerateの新作が気に入った方はこれも要チェキです。

 

THE NOVEMBERS「At The Beginning」

voの小林さんはかねてからL'Arc-en-CielやDIR EN GREYの影響を公言してましたが、本作では遂にyukihiro(L'Arc~en~Ciel/acid android)がプログラミングで参加。前作から色濃くなったニューウェーヴやインダストリアルの要素が更に地に足を付けた形で提示されています。曲順の流れが実に良い上に、最近のノベンバはとにかくアルバムをコンパクトな尺でまとめてくれるので、何度でも聴き通せてしまう一枚。あとエレクトロニクスを本格的に導入し出したタイミングがsukekiyoと被ってるのが個人的には面白くて、今こそ再び対バンを…!なんて考えてしまいます。

 

・Pyrrhon「Abscess Time」

ってことでAseitasの項で名前出したこのバンドの新譜も選出です。Imperial Triumphant(Baがかつて在籍)同様1stから一貫してColin Marstonが携わってるバンドでもあります(1stと2ndではマスタリング、3rd(前作)と本作では加えてレコーディングも担当)。こちらもGorgutsやConvergeの匂いはありつつ、さらにToday Is The Day的なサイコ感・酩酊感を強く打ち出しているのが印象的。近年のNYアヴァンメタル界隈は超絶技巧を生々しさの発露として用いるのが凄く上手いなと感じますが、彼らもその好例と言えるんじゃないでしょうか。

 

・Ulcerate「Stare Into Death And Be Still」

Gorgutsインスパイア系の中でも頭一つ抜けた知名度があるバンド。かれこれ6年くらい追いかけてますが、作を追うごとにアグレッションを削がずして美しく聴きやすく洗練されていってて、そうした取り組みは本作で一つの完成を見た感すらあります。あんまり言及されないけど自分はここのボーカル好き(低くて太くてよく伸びる実にディープなグロウル)で、本作では持ち前の威厳に表現力がプラスされた気がしてナイスでした。

 

赤い公園「THE PARK」

2020年はなんと言ってもデスメタルが大豊作でしたが、それら素晴らしいデスメタルの新譜の合間にチェイサー的に嗜んでいたのがこの1枚。まずポップスとして完璧に仕上がってる上で、要所要所でフリーキーなギターのフレーズとテクニカルなベースラインが不穏な引っ掛かりを生んでて凄く聴き心地が良かった。新しいシンガーも正直前任者より圧倒的に好き。

 

・明日の叙景「すべてか弱い願い」

国産ポストブラックメタルバンドの2ndEP。18年ベストに選出した大傑作1stに続く(スプリットは出してたけど)本作は陽性のメロディの比率が増え、Deafheavenを筆頭としたポストブラック勢により接近しつつも、やっぱり"本場"のバンドには逆立ちしても出せない和の情緒が味の決め手。間違いなく芯にはメタルがあるんだけど、それでいて何故こうも柔らかな表現力が板についてるんでしょうか。

 

清春「JAPANESE MENU/DISTORTION 10」

電車タバコの広告だったりオンラインサロンだったりにツッコミ入れたくなるのも人情ですが、この人、そうはいっても作る曲と歌声に関しては全く死んでないんですよ。死んでないどころか、更に熟成され研ぎ澄まされ、新たなキャリアハイと呼べそうな気配すらある、なんてのは言い過ぎでしょうか。近年はアコースティック編成での活動が目立ち、より己の声に焦点を絞っているような印象がありましたが、再びバンドサウンドを従えての本作は、必要十分なアグレッションにソロワークで煮詰めに煮詰めた渋味と色気が纏わりついて、思わず「やっぱりこういうのが聴きたかった!」と快哉を叫びたくなる力作。

 

五人一首「死人賛歌」

Tool、COCK ROACHの次はまさかのこの人たちまで新譜をドロップ。というわけで日本国唯一(?)のプログレッシヴ・デス、15年ぶりの3rdでございます。前作の時点で完成されていた、日本土着の怨念に犯されたCynicとでもいうべき音楽性は不変ながら、さらに研磨された形で舞い戻ってきてくれて感無量であります。付け焼刃の和風ロックとはまず食ってるものが違う、骨から滲み出る土着性に鳥肌立ちます(この点音楽性は異なるけど音鬼にも通じると思う)。SEに続く2曲目の冒頭のフレーズ一発で「五人一首だ!」ってなるピアノや、古風な歌い回しのクリーン声(真っ当な歌の上手さがある)とフィメールvoジャパコア的なシャウトを使い分けるシンガーなど、相変わらず一つ一つのパーツの記名性の高いことよ。

 

・ハイダンシークドロシー「ヒトリランド」

ヒトリランド by ハイダンシークドロシー - TuneCore Japan

やたら演奏が上手い人格ラヂオ~初期シドに米良美一が加入したらメルヘン趣味に目覚めた、みたいな激ヤババンドがこっそり(?)出してたデビュー作。ド歌謡メロディ+死ぬほど上手い歌の組み合わせの時点で私的には5億点出てるんですが、メルヘンかつインチキ歌謡ジャズな雰囲気で統一された曲群は一筋縄ではいかないですし(元犬神サーカス団のギタリストが多くの作曲を手掛けてるみたいです)そういった世界観に強烈な説得力を持たせてるのはやっぱりこのvo氏の力量・スタイルでしょう。この方が元々やってる実験台モルモットなるバンドも俄然気になってる次第です。

 

次点

・Afterbirth「Four Dimensional Flesh」

・BAROQUE「SIN DIVISION」

・Black Crown Initiate「Violent portraits of Doomed Escape」

・Beneath The Massacre「Fearmonger」

・Caligula's Horse「Rise Radiant」

・Conception「State of Deception」

Deftones「Ohms」

downy「第七作品集『無題』」

・END「Splinters From An Ever-Changing Face」

・ENDRECHERI「LOVE FADERS」

・Expander「Neuropunk Boostergang」

・Faceless Burial「Speciation」

・Feed Them Death「panopticism: Belong / Be Lost」

・Gargoyl「Gargoyl」

・Hail Spirit Noir「Eden In Reverse」

・Hell Freezes Over「Hellraiser」

・HOLLOWGRAM「Pale Blue Dot

Marilyn Manson「WE ARE CHAOS」

・Molested Divinity「Unearthing the Void」

・Oranssi Pazuzu「Mestarin kynsi」

・Pallbearer「Forgotten Days」

Paradise Lost「Obsidian」

・Sepulutura「Quadra

・Silverkord「Liquid Air

・Skeletal Remains「The Entombment Of Chaos」

・Sumac「May You Be Held」

・Sweven「The Eternal Resonance」

・Viscera「Obsidian」

・Voidceremony「Entropic Reflections Continuum: Dimensional Unravel」

・Wake「Devouring Ruin」

・Xibalba「Años en Infierno」

・ZILF「The Album」

岡村靖幸「操」

・君島大空「縫層」

・葉月「葬艶-FUNERAL-」

 

 というわけで、例年通り一位以外ABCあいうえお順で25枚選出です。2020年、まあこういう時世でしたので、例に漏れず自分も家に引きこもる時間が増えて、かつてないほど音楽を聴く時間を多く取ることができました。おかげで次点の数がえらいことになってますが、正直Spotifyで2,3回聴いただけみたいなのも多くて(本選の25枚はいずれも10回以上は通しで聴いていると思う)、そこは考えものですね…。この年はDIR EN GREYもsukekiyoもアルバムリリースがなくて、これまでの信者だからこれ一位!ムーヴができなかったこともあり(いや本気で一位だけど)、一位を選ぶのにも苦労しました。ギリギリまで迷ったのはNapalm DeathとArise in Stabilityかな。本選25枚を見てみると、国産アーティストがかなり多いですね。14/25が国産。今年はV系のリリース数自体が少なかったこともあり、自分のベストもV系減→外タレばっかになるかなーなんて思ってたら、非V系の国産バンドで刺さるものが多かったというオチでした。GEZANとかノベンバとか話題作も多かったですしね。V系オブ2020に関してはもうDIMLIMの優勝ってことで皆割と納得してもらえるんじゃないでしょうか。B-Tや清春は置いといて、(年明けてから!)ハイダンシークドロシーを聴くまでは少なくとも自分の中では本当にDIMLIM一強でした(…だけどさすがに再録ブルーフィルム聴かずにこういうこと言うのはダメだと思うので近いうちにちゃんとCD買います…)。あとはなんと言ってもデスメタルが大豊作の年だった!去年から引き続いてOSDM再興の流れは大きかったし、個人的にはGorgutsインスパイア系で素晴らしいリリースが相次いでいた年でした。僕がこの世で一番好きなデスメタルのアルバムはGorgutsの3rdなので、そこから影響受けつつ発展改変していくバンドが多数存在してるというのは喜ばしい限りです。期待してたけどそんなに…だったのはアルルカンとAnaal Nathrakhかな…。前者は決して悪くはないんだけどもうちょい胸倉掴んでくる何かが欲しかったし、後者は自分が苦手な類のクサメロが増量されてて正直勘弁してくれ~ってなってしまいました…。Dos MonosやPTHの新譜も一回聴いて前作の方が好きだな…ってなって放置してしまってるのでそのうち聴き直したい。新譜以外のとこだと何故か80年代のパワーメタル(一部NWOBHM)にハマってました。2020年に買ったCDの半分くらいは80'sメタルな気がする。特にSavage Graceの1st再発はメチャアツかったですね。前々から興味はあったんだけどその時点で出回ってたCDが所謂改悪リマスターというやつで、僕含めてオリジナルのマスタリングでの再発を渇望してた人は多かったんじゃないでしょうか。またそのへんのバンドと一緒になって聴いてたのがまさにヘヴィ・メタルど真ん中をブチ抜いてきてくれたHFOの新譜で、次点に入れた中でも最後まで本選に入れるか迷ったアルバムでした。

 

 2020年、訃報が多く聞かれた一年でもあったと思います。中でもSean Reinert、Sean Malone(Cynic)の両名、そして津野米咲赤い公園)の死は自分にとって衝撃でした。謹んで哀悼の意を表します。

 前者に関しては、自分の中ではWarrel Dane(Nevermore)の逝去以来の、10代の頃から愛聴していたアーティストの死、という経験になってしまいました。どうしようもないことではあるんだけど、今後こういうことは増えることはあっても減ることは決してない、っていうところは覚悟して生きていかなきゃなと思った次第です。

 赤い公園に関して、自分は昔から熱心にファンやってたとかでは決してなくて、猛烈リトミックが話題になっていたときに初めて名前を聞いて、以来その猛烈リトミックをたまにSpotifyで再生する、或いはYouTubeでPVをつまむ、という距離感でずっと接してきました。猛烈リトミックの後に出た作品は、自分の観測範囲では大きな話題になることはなくてスルーしていました。でも、2020年に出た新作が数名のツイッターの相互フォロワーの間で絶賛されてて、また、なんでもボーカルが代わってから初のフルアルバムらしい、というのを聞いて、久しぶりに赤い公園というバンドに興味が湧きました。そして聴いてみた新譜というのが素晴らしくて、こうして年間ベストに選出する程度には愛聴しています。以上のような接し方なので、正直に言えばバンドに対しての思い入れみたいなものは希薄だし、彼女の死が普段の生活がままならなくなるほど影を落とすことはなかったんですが、それでも、若くて素晴らしい才能をもった人間の死、というのは悔しい。THE PARKという傑作の次に来る作品を聴いてみたかったな、と強く思います。

 

 こんなところでしょうか。今年は去年よりはマシな一年になるといいですね。個人的なことを言うと4月からいよいよ社会人というやつにジョブチェンジをしなくてはならないようなので、まあほどほどにやっていきます。本ブログも隙を見て更新していけたらいいな~と思います。しくよろです。