片道切符で飛び乗れ

ダークな世界観が魅力のロックバンド

DISH「蝶と独白と残黒」

だいぶ間が開いてしまった…。というわけで今回はこれを。魑魅魍魎が跋扈するヴィジュアル系というジャンルの中でも、とりわけアンダーグラウンド・ダークサイドに振り切れた音楽を指向するバンドが数多く生息している、”手刀界隈”(池袋手刀でライブを行うバンドが多いことからそう呼ばれています)という一派がございまして、本日紹介するDISHはその手刀界隈の一バンドと見なされ(るだけのダークアングラVの素養を持ち)つつも、他方骨太オルタナな感性も持ち合わせ、例えばPlastic Treeなんかが実践しているアプローチとはまた別角度からのV系と非V系のバンドサウンドの歩み寄りを見せてくれる稀有なバンドであります。同期無しの3ピース編成、必殺アップテンポもたまにはやってくれつつ(5曲目のワールドセオリー超名曲!)基本はミッドテンポ、にもかかわらず実に雄弁な楽曲群であることよ。ヘヴィというよりは轟音という形容が似合う類の耳に優しいやかましさ、その合間にチラチラと顔を出すほんのりゴシカル~90'sVIJUARUな暗さがあくまでも手刀の血が流れているバンドであると主張しているようでたまらんですね~。そしてなによりV系オルタナグランジ系のボーカルスタイルの良いとこどりとでも言うべきシヴィさん(gt,vo)のボーカルが最高すぎます。ぶっちゃけこのバンドを聴くときは半分くらいはこのボーカル目当てだと言ってもいい。この人のボーカルあってのDISHです。というわけで、敬虔な手刀ギャ(男)の皆様は当然存じ上げてると思うのでいいとして、V系過ぎないV系をお探しの方(で取り合えずプラとか聴いてみたけど正直ピンとこなかった)とか、V系関係なく取り合えず暗くてほどほどに激しいロックを欲してる人だとかもうみんなマストバイですってことで。